AGCのDOE、拡散板製品と技術

AGCではDOE・拡散板といった素子を扱っていますが、これまで手掛けてきた光学素子製品は、グレーティング、ホログラム素子、有機波長板、偏光ホログラム素子、液晶アクティブ素子、2波長/3波長互換素子などがあり、CD/DVDやBlu-Rayの光ピックアップ素子や通信モジュール向けに生産をしてきました。安定した品質を実現する量産実績をもち、光学シミュレーション技術、ガラス微細加工、液晶材料と複合化技術をベースとしユニークな特性を持つ高信頼性なガラスソリューション及び有機無機複合ソリューションを提供しています。

製品概要・特長

グレーティング、ホログラム、DOEなどの回折光学素子やガラス拡散板の特長については、こちらにも解説がありますが、AGCで作成した様々な照射パターンはLiDAR向けの様々なお客様のニーズに応えるものになっています。LiDARは測定したい範囲や、スキャン方式との組み合わせにより、プロジェクターから出射されるパターンは様々です。

DOEやガラス拡散板といった素子は、基本的にはコリメータされた光が照射されれば所望のパターンが実現できるため、光の利用効率の向上、レンズ部品点数の削減やアライメントコストの低減にも寄与します。AGCでは長年培った技術を保有することにより、量産実績はもちろん、0次光と呼ばれる回折されずにそのまま抜けてくる光の低減や、100°を超えるような広い拡散板、数万点にレーザーを分岐させるドットパターンなどの作製実績があります。波長についても可視光から、LiDARなどの3Dセンシングに使われる近赤外光まで対応が可能です。

設計から量産までワンストップ体制

AGCでは、設計から量産、品質管理までワンストップ体制で対応をしています。お客様の所望のプロファイルや特性が実現できるように、適切なソリューションを検討します。回折現象を利用するDOE素子が適している場合もあれば、屈折現象を利用するガラス拡散板が適している場合もありますので、お問い合わせを受けたのちにご提案をさせていただきます。

DOEを使って光を制御している様子。DOEでは表面に形成された微細構造により、光を回折させてパターンを作り出します。DOEは設計の自由度が高く、図にあるように様々な使い方が考えられます。
レーザー光をDOE素子でラインプロファイルに変換している様子。
(左)約1000点のドットパターン均一照射パターン(中央)均一拡散パターン(右)ラインパターン

無機材料のため高性能・高信頼性

AGCではガラスを中心として無機材料の微細加工によりDOEやガラス拡散板を製造しています。レーザーを扱うような光学素子はレーザー耐性が求められますが、無機材料から構成されているため高性能・高信頼性を実現することができます。同様な光学素子を、樹脂成型や、金型を用いてインプリント成型されるPolymer on Glass (PoG)に比べて、様々なメリットがあります。

加工方法 ガラスの微細加工
試作コスト 金型を作る必要がないため、複数パターンを作製する場合でもコストを抑え、リードタイムを短くできます。
特性 金型を介さずに基材を直接加工するため精度がよく、結果狙い通りの高い特性を出すことができます。
信頼性 環境による変化(熱膨張、膨潤、ソラリゼーション、etc)が樹脂材料にくらべ少なく耐候性に優れるため、高温環境、高湿度、光照射による劣化や剥離のリスクを減らせます。

高い設計・加工技術:低0次光、高効率、超広角や数万点のパターン

AGCではお客様の要望に応じて、設計から行うことができます。これまでにも、ライン、ドットランダムパターン、拡散など様々なパターンを実現しています。また、0次光と呼ばれる回折されずにそのまま抜けてくる光の低減や、100°を超えるような高い拡散板、数万点にレーザーを分岐させるパターンなどの作製実績があります。波長についても可視光から、LiDARなどの3Dセンシングに使われる近赤外光まで対応が可能です。光源の情報と、投影したいターゲットパターンをいただければ、弊社にて検討・設計の上、可能な仕様をご提案しますので、まずはお気軽にお問合せください。なお、作製は基本的にカスタム対応となります。