OXYCAPT™
プラスチック製バイアル

OXYCAPT™は、高いガスバリア性と水蒸気バリア性を持つ、
プラスチック製のバイアルです。

OXYCAPT™とは?ガラスとプラスチック両方の特性を保持する新規容器

従来、シリンジやバイアルに使用されるガラス容器は、ガスバリア性に優れている一方で、割れやすい、pH耐性が低いなどの課題があります。一方で、プラスチック素材を適用するには、酸素バリア性、UVバリア性に課題がありました。米国FDAや各メーカーによって解決策が模索されておりましたが、いずれも酸素バリア性の不十分さや、安定性の面で課題を残していました。

そうした中誕生したのが、三菱ガス化学のOXYCAPT™です。

OXYCAPT™は、ガラスとプラスチックの特性を兼ね備えた新しい容器です。COP(シクロオレフィンポリマー)による優れた水蒸気バリア層と接液層、酸素バリア樹脂による酸素バリア層による3層構造から成り、無機物の低溶出性、低タンパク質吸着性、高い破損耐性を実現しました。

多層構成

写真と図:OXYCAPTの説明。詳細は本文参照。

OXYCAPT™の長所 医薬品の長期保存、安全性の向上を実現

OXYCAPT™は、高い酸素バリア性、無機物の低溶出性、高い破損耐性、軽量性に加え、優れたUV吸収性・バリア性を有しています。これにより、医薬品の長期保管が可能となり、使用期限中の安定性と有効性も向上させることができます。
こうした特長は、バイオ医薬品や再生医療、エピネフリン、ドーパミン等の緊急薬剤を扱う製薬会社からも評価されています。

  ガラス容器 プラスチック
単層容器(COP)
OXYCAPT™-P
酸素バリア
水蒸気バリア
破損耐性
無機物の溶出
有機物の溶出
タンパク質の吸着
pH安定性
UVバリア
重量
廃棄性
耐熱性

* ◎→○→△→☓

OXYCAPT™の用途プラスチック製のバイアルに最適

OXYCAPT™バイアルは、薬剤の安定性と有効期間の向上に寄与することができます。
長期試験により、酸素バリア性を維持しながら、ガラスにおける剥離の問題(ガラスの薄片や粒子)の解消が確認されました。さらに、プラスチックにおける低可視性の問題も解消することが可能です。

写真:OXYCAPTバイアル

OXYCAPT™の優位性ガラスとプラスチックの長所を併せ持つ優れた容器

酸素バリア性

OXYCAPT™ バイアルは、高い酸素バリア性を有しています。OXYCAPT™-Pバイアルにおける酸素透過度は、COPの14分の1程度です。
長期にわたり医薬品の有効性を求める利用者、および製薬企業に安心してご使用いただくことができ、先進的な生物製剤のバイオシミラーやバイオ医薬品の実現に寄与します。

バイアル 10mL

グラフと写真:OXYCAPTの酸素バリア性。詳細は本文参照。
グラフと写真:OXYCAPTのUVバリア性。詳細は本文参照。
  • 測定機器:MOCON OX-TRAN® 2/61
  • 条件:23℃ / In 100%RH, Out 50%RH

UVバリア性

医薬品の成分と安定性はUVによって劣化するため、パッケージ容器におけるUVバリア性は極めて重要です。
OXYCAPT™ はUVを吸収する性質を持ち、COPやType Iガラスより優れたUVバリア性を有しています。

グラフと写真:OXYCAPTのUVバリア性。詳細は本文参照。グラフと写真:OXYCAPTのUVバリア性。詳細は本文参照。

無機物の低溶出性

昨今、安全性の確保に向け、医薬品の規制が厳格化し、無機物の溶出測定が重視されるようになっています。
OXYCAPT™ は、無機物の溶出において、プラスチックやガラスのいずれの既存先端素材よりも低い数値を示しています。

グラフと写真:OXYCAPTの無機物の低溶出性。詳細は本文参照。グラフと写真:OXYCAPTの無機物の低溶出性。詳細は本文参照。

<試験方法>

  • - 10mLの水を充填
  • - 1ヶ月保管(25℃/60%RH)
  • - 分析法:ICP

製品ラインアップ

ISO
バイアル
全長
(㎜)
胴径
(㎜)
フランジ外径
(㎜)
フランジ内径
(㎜)
オプション
2R (2mL) 35 16 13 7 バルク または RTU
6R (6mL) 40 22 20 12.6 バルク または RTU
10R (10mL) 45 24 20 12.6 バルク または RTU
20R (20mL) 55 30 20 12.6 バルク または RTU

※カスタマイズをご希望の際には、下記までお問い合わせください。

写真:OXYCAPT

製品に関するお問い合わせ

研究統括部 新規事業開発グループ  
TEL:03-3283-4913