ナノアロイ™ 技術適用のナイロン樹脂アミラン™ ”S133”

~硬いのに柔らかい、衝撃が加わるとゴムのように柔軟に変形するナイロン樹脂~

当社ナノアロイ™ 技術を用いた超耐衝撃ナイロン樹脂グレードです。高速衝撃に対する柔軟性や、衝撃吸収性、復元性を向上させることで、製品の長期耐久性、安全性向上が期待されます。

特長

S133は「硬いのに柔らかい」という相反する特性を持つ、PA/エラストマのアロイグレードです。当社のナノアロイ™技術を適用させることで、通常使用時は強度と剛性を持つプラスチックとしての性質を示し、衝突等の高速衝撃が加わる際にはゴムのように変形し、衝撃を吸収する特性を発現します。

エラストマーをナノオーダーまで微分散させることで、高速衝撃に対する柔軟性、衝撃吸収性、復元性を向上させることが可能になりました。

1.ポリマーの分散状態

ナノアロイ™ 技術を適用したナイロン樹脂の透過型電子顕微鏡観察

それぞれの樹脂特性を併せ持った数十ナノメートル単位の粒子「ナノミセル」を多数含む相構造を多数含む構造を形成させることに成功。

2.特性

(1)変形による衝撃の吸収

一般的なエンジニアリングプラスチックは、高速で衝撃が加わると割れやすくなります。

S133は、高速で衝撃が加わっても、ゴムのように柔軟に変形して割れませんので、成形品の変形により衝突エネルギーを吸収できます。

(2)繰り返し曲げ疲労特性

一般的なエンジニアリングプラスチックは、ゴムと比較して繰り返し疲労特性が劣り、白化やクラック、破断が発生しやすい特性があります。S133は、ゴム類と同等以上の屈曲疲労性を有すため、製品の長期耐久性の向上効果が期待されます。

他樹脂との比較(A=20)

材料 破断までの回数
ナノアロイ™ S133 107回でも破断無し
高衝撃ナイロン 103
ナイロン6 103
PP 104

エラストマーとの比較(A=30)

材料 破断までの回数
ナノアロイ™ S133 106回でも破断無し
ポリアミド系エラストマー 105
ポリエステル系エラストマー 105

用途

  • スポーツ用品
  • 防具・プロテクター製品
  • LANケーブルラッチ
  • 搬送ケース
  • 建材緩衝材
  • 鉄道部品等

東レの開発支援

東レではCAE解析による耐衝撃解析、製品設計支援を行っております。東レの保有する材料特性や過去数百件以上のCAE解析実績により、お客様での樹脂製品設計に貢献致します。

衝撃吸収部材をご検討の際は、是非東レのナノアロイ™ 技術適用のS133の採用をご検討ください。

NANOALLOY™技術の開発秘話ともいえるドキュメントについて
独立行政法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)様のウェブサイトで公開されております。
ぜひ、ご覧ください。
https://www.nedo.go.jp/hyoukabu/articles/201201toray/