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合成生物学を活用した次世代事業の創出加速に向けて米国で新組織「シンバイオハブ」を設立

2020年11月16日

住友化学は、このたび、米国子会社であるベーラント・バイオサイエンス社(イリノイ州、以下「VBC」)のバイオラショナルリサーチセンター内に、新組織「シンバイオハブ」を設置いたしました。合成生物学の革新的技術が数多く創出されている米国内に同分野の技術構築を目的とした拠点を設立することで、次世代事業の創出に向けた取り組みを一層加速させます。

近年、バイオテクノロジーとデジタルテクノロジーの融合による技術の急速な進歩により、合成生物学の産業利用が大きく進展しています。そうした中、住友化学は、合成生物学と総合化学メーカーとして長年培ってきた化学技術を融合させることにより、化学合成だけでは製造が困難な高機能製品や、高収率かつクリーンで省エネルギーなプロセスを開発し、新事業の創出を目指しています。既に、コナジェン社への出資やザイマージェン社との提携をはじめ、合成生物学分野におけるスタートアップ企業やアカデミアとの間でさまざまな取り組みを進め、同分野への研究開発投資を積極的に実施しています。

VBC内に新設するシンバイオハブは、オープンイノベーションはもとより、米欧のイノベーション探索拠点であるコーポレート・ベンチャーリング&イノベーションオフィス(CVI)や、バイオサイエンス研究所、工業化技術研究所などの国内拠点とも連携し、住友化学グループ全体で合成生物学を利用した基盤技術の早期構築を図ります。また、生産菌株の開発、スケールアップなどの自社研究にも着手し、バイオラショナル事業や化学品の工業化で培った技術も生かして合成生物学の技術・知見・経験を集積することで、当社グループが持つ化学技術とのシナジーも追及し事業化につなげていく考えです。

住友化学は、2019~21年度の中期経営計画において「次世代事業の創出加速」を基本方針の一つに掲げ、「環境負荷低減」「ヘルスケア」「食糧」「ICT」の4つの重点分野で新規事業の実現を目指しています。新たに設置するシンバイオハブも活用し、引き続きグループを挙げて、サステナブルな社会の実現に向けた技術開発と新たな事業領域の開拓に取り組んでまいります。

※住友化学グループでは、天然物由来などの微生物農薬、植物生長調整剤、根圏微生物資材などや、それらを用いて作物を病害虫から保護したり、作物の品質や収量を向上させたりするソリューションをバイオラショナルと定義しています

以上

VBCの概要

会社名

Valent BioSciences L.L.C.

所在地 米国イリノイ州リバティーヴィル
設立 2000年1月
COO Ted Melnik(テッド・メルニック)
事業内容 バイオラショナルの研究・開発、製造、販売

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